いまさら聞けない?社会保険の種類と基礎知識をわかりやすく解説

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みなさんは社会保険と聞いて何をイメージしますか?毎月の給料から天引きされているのは知っているけど、どういった制度なのかよく分からないという方も少なからずいると思います。

しかし、社会保険を上手に利用できれば、万が一のことがあったときにも安定した生活を送る手助けをしてくれます。

今回はそんな社会保険の種類と基礎知識について、わかりやすく解説します。

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5つの社会保険

まず、社会保険には「広義の社会保険」と「狭義の社会保険」があります。

広義の社会保険とは広い意味で社会保険を定義したもので、以下5つの保険が該当します。

医療保険
年金保険
介護保険
雇用保険
労災保険

狭義の社会保険とは上記にある5つの保険のうち、「医療保険」、「年金保険」、「介護保険」のことを指します。一般的に社会保険と言うと、この狭義の社会保険のことをイメージする方も多いと思います。

一方で、「雇用保険」、「労災保険」はまとめて労働保険と呼ばれています。

社会保険の種類

それではこの5つの保険について、1つずつ内容を見ていきましょう。

医療保険

医療保険とは、病気・ケガなどによってかかる医療費の一部を、国や地方自治体が援助してくれる制度のことです。この制度によって、医療を受けた際の自己負担額を抑えることが出来ます。原則、すべての人が公的な医療保険に加入しますが、職業や年齢によって加入先が異なります。

職業別の加入する医療保険については以下のとおりです。

■職業ごとの医療保険

医療保険の分類法別番号医療保険の名称被保険者
国民健康保険なし国民健康保険自営業、農漁業従事者等、社会保険の加入者以外の方と、その家族
定年退職により社会保険加入の資格を喪失した65歳以上の方とその家族
社会保険1全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)民間の中小企業勤務者と、その家族
社会保険2船員保険「船長及び海員(乗組員)」「商船大学の学生」「予備船員」と、その家族
社会保険3日雇特例被保険者の保険(一般療養)健康保険の適用事業所に日雇で雇われる方と、その家族(以下の要件に当てはまる方)
・臨時(日々雇い入れ)に使用される者(1ヶ月を超えて継続雇用する場合は通常の
健康保険(社保、国保)に加入)
・臨時(2ヶ月以内)に使用される者(所定の期間を超えて引き続き雇用する場合は
通常の健康保険(社保、国保)に加入)
・季節的業務に使用される者(継続して4ヶ月以上雇用する場合は通常の健康保険
(社保、国保)に加入)
・臨時的事業に使用される者(継続して6ヶ月以上雇用する場合は通常の健康保険
(社保、国保)に加入)
社会保険4日雇特例被保険者の保険(特別療養費)
社会保険6組合管掌健康保険(健康保険組合)民間の企業勤務者と、その家族
組合は民間の大手企業が単独で設立、または同業種の複数の企業が共同で設立
社会保険7防衛省職員給与法による自衛官等の療養の給付防衛省職員、自衛官、防衛大学学生
社会保険31国家公務員共済組合国家公務員と、その家族
社会保険32地方公務員等共済組合地方公務員と、その家族
社会保険33警察共済組合地方公務員と、その家族
社会保険34公立学校共済組合/日本私立学校振興・共済事業団地方公務員と、その家族
後期高齢者医療制度39高齢者の医療の確保に関する法律による療養の給付75歳以上(誕生日から)及び65歳~74歳で一定の障害が認定された人
社会保険63特定健康保険組合(特例退職被保険者)厚生労働大臣に認可された特定の組合管掌健康保険加入(法別番号06)の退職者と、その家族
国民健康保険67国民健康保険法による退職者医療社会保険(法別番号01、02、06、07、31~34)に加入していた方で、定年退職後に年金(厚生年金、共済年金 等)により生計を立てている方、とその家族
社会保険72国家公務員特定共済組合国家公務員共済組合(法別番号31)加入の退職者と、その家族
社会保険73地方公務員等特定共済組合地方公務員等共済組合(法別番号32)加入の退職者と、その家族
社会保険74警察特定共済組合警察共済組合(法別番号33)加入の退職者と、その家族
社会保険75公立学校特定共済組合 私立学校振興・共済事業団公立学校共済組合 日本私立学校振興・共済事業団加入の退職者と、その家族

また、年齢によって医療費の自己負担額が変わってきます。年齢別の医療費自己負担額は以下のとおりです。

・ 75歳以上の者は、1割(現役並み所得者は3割)
・ 70歳から74歳までの者は、2割(現役並み所得者は3割)
・ 70歳未満の者は3割
・ 6歳(義務教育就学前)未満の者は2割

■年齢ごとの医療費の自己負担割合

年齢別の医療費自己負担額

医療保険の中には医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(同じ月の1日~末日)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給してくれる高額療養費制度というものもありますので、ぜひ活用してみてください。

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年金保険

年金保険は、現役時代に保険料として払うことで老後資金として援助を受けられる制度です。原則65歳から年金として資金を受け取ることが出来ます

年金保険は国民年金保険と厚生年金保険の2種類があります。国民年金保険は基礎年金と言われ、20歳から60歳未満の国民全員が加入対象となります。厚生年金保険は会社員・公務員が対象で、国民年金保険に上乗せする形で支払われます。

■加入対象者と年金保険の種類

被保険者の種別第1号被保険者第2号被保険者第3号被保険者
加入対象者自営業者等会社員・公務員第2号被保険者の配偶者
加入年金保険の種類・国民年金保険(老齢基礎年金)・国民年金保険(老齢基礎年金)
・厚生年金保険(老齢厚生年金)
・国民年金保険(老齢基礎年金)

国民年金保険の保険料は全額自己負担となりますが、厚生年金保険の保険料は半分が自己負担で、もう半分が雇用主負担となります。また、国民年金保険の支払い期間は20歳から60歳未満ですが、厚生年金保険の支払い期間は原則70歳までの厚生年金の加入資格を喪失するまで(会社員や公務員に所属している間)となります。いずれにしても年金受給開始は原則65歳からとなります。

■国民年金保険と厚生年金保険の違い

国民年金保険厚生年金保険
加入対象者全国民会社員・公務員
保険料全額自己負担半分が自己負担
もう半分が雇用主負担
保険料の支払い期間20歳から60歳未満原則70歳までの厚生年金の加入資格を喪失するまで
(会社員や公務員に所属している間)
年金受給開始時期原則65歳原則65歳
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介護保険

介護保険は、介護が必要になった高齢者を支援するための制度です。基本的に40歳になると保険料の納付が義務となり、64歳までの被保険者は加入している健康保険と一緒に徴収されます。65歳以降は「第1号被保険者」に切り替わり、基本的に年金から天引きで納付します。

原則、市区町村(保険者)が実施する要介護認定において、介護が必要と認定した65歳以上の方が介護サービスを受けることができます。ただし、40歳から64歳未満の方でも介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合は、1~3割の自己負担で介護サービスを受けることができます。

■介護保険の対象となる特定疾病

筋萎縮性側索硬化症脳血管疾患
後縦靭帯骨化症進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
骨折を伴う骨粗しょう症閉塞性動脈硬化症
多系統萎縮症慢性関節リウマチ
初老期における認知症慢性閉塞性肺疾患
脊髄小脳変性症脊柱管狭窄症
糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
早老症末期がん

■「第1号被保険者」と「第2号被保険者」の違い

第1号被保険者第2号被保険者
年齢65歳以上40歳から64歳未満
納付方法基本的に年金から天引き加入している健康保険に上乗せ
介護サービスを受けられる人市区町村が実施する要介護認定を受けた方「特定疾病」と診断された方

雇用保険

雇用保険は、失業した方や労働が困難な方に必要な給付をし、再就職支援などを行う制度です。雇用保険加入の要件は以下のとおりです。

■雇用保険加入の要件
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上の雇用見込みがあること
・学生ではないこと

雇用保険にはいろいろな給付制度があり、よく耳にする「失業手当」は以下にある「失業等給付」に当たります。

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労災保険

労災保険(労働者災害補償保険)は、業務上の事由または通勤によるケガ・病気・死亡について必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。保険料は、原則として事業主の負担することになります。

被保険の対象者は「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」を差し、 労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません

労災保険の補償内容については以下のとおりです。

■労災保険の補償内容

保険給付の種類給付を受けるタイミング保険給付の内容
療養補償給付業務中や通勤中に発生した傷病により療養するとき
(労災病院や労災保険指定医療機関等で療養を受けるとき)
必要な療養の給付
業務中や通勤中に発生した傷病により療養するとき
(労災病院や労災保険指定医療機関等以外で療養を受けるとき)
必要な療養の費用の給付
休業補償給付業務中や通勤中に発生した傷病により療養ため、労働による賃金が受けられないとき休業4新目から休業1日につき給付基礎日額の60%相当額
障害補償給付障害補償年金業務中や通勤中に発生した傷病が治った後に後遺症第1級から第7級に該当する障害が残ったとき障害程度に応じた、給付基礎日額の131~313日分の年金
障害補償一時金業務中や通勤中に発生した傷病が治った後に後遺症第8級から第14級に該当する障害が残ったとき障害程度に応じた、給付基礎日額の56~503日分の一時金
遺族補償給付遺族補償年金業務中や通勤中に発生した災害により死亡したとき遺族の数等に応じた、給付基礎日額の153~245日分の年金
遺族補償一時金(1)遺族補償年金を受ける遺族がいない時
(2)遺族補償年金を受けている人が受ける資格がなくなり、他に遺族補償年金を受ける人が居ない場合で、既に支給された年金の合計が給付基礎日額の1000日分に満たないとき
給付基礎日額の1000日分の一時金
(2)の場合は既に支給した分を差し引いた額
葬祭料・葬祭給付業務中や通勤中に発生した災害により死亡した人の葬祭を行うとき315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額
(給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分)
傷病補償年金業務中や通勤中に発生した傷病により療養を開始し、1年6か月経過した日または同日後に、以下どちらにも該当するとき
・傷病が治癒していない
・傷病による障害の程度が傷病等級に該当する
障害程度に応じた、給付基礎日額の245~313日分の年金
介護保障給付障害補償年金または傷病補償年金受給者のうち、第1~2級の精神・神経の障害、胸腹部臓器の障害者で、現に介護を受けているとき介護状況により36,500~166,950円支給
二次健康診断等給付
※船員方の適用を受ける船員については対象外
事業主が行った直近の定期健康診断等(一次健康診断)で以下のどちらにも該当するとき
・血圧検査、血中脂質検査、血糖検査、復位またはBMIの測定すべての検査において異常の所見があると診断されていること
・脳血管疾患または心臓疾患の症状を有していないことを認められていること
二次健康診断および特定保健指導の給付

まとめ

今回は社会保険の種類と基礎知識について解説しました。ポイントは以下のとおりです。

✅社会保険には「狭義の社会保険」と「労働保険」の2種類に分類される。
✅狭義の社会保険は「医療保険」、「年金保険」、「介護保険」のことを指す。
✅労働保険は「雇用保険」、「労災保険」を指す。
✅医療保険は病気・ケガなどによってかかる医療費の一部を、国や地方自治体が援助してくれる制度
✅年金保険は、現役時代に保険料として払うことで老後資金として援助を受けられる制度
✅介護保険は、介護が必要になった高齢者を支援するための制度
✅雇用保険は、失業した方や労働が困難な方に必要な給付をし、再就職支援などを行う制度
✅労災保険は、業務上の事由または通勤によるケガ・病気・死亡について必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度

自身または家族に万が一のことがあった時に、少しでも安定した生活が送れるよう、5つの社会保険の基礎知識についてはぜひとも身に着けておきたいですね。

 

 

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